ESLifierでSkyrimのESPをESPFE化してみよう

2025年4月11日金曜日

ESPFE Skyrim ツール

t f B! P L

 ESLifierはSkyrimのESPにESLフラグを立てる(ESPFE化する)ツールです。
今まではSSEEditなどを用いてESLフラグを立てる必要がありましたが、 ESLifierを用いることで、より効率的にESPFE化することが出来ます。

少し使い方が難しいかもしれませんが、慣れると非常に便利なツールだと思います。
ESPFE化の意義とESLifierが従来の方法と比べて優れている点も含めて見ていきましょう。

ESPFE化について

いわゆるESPFEと呼ばれる形式のプラグインファイルは、ESPとESLの良いとこ取りをしたような形です。

ESLファイルはSkyrimのプラグイン数の上限である255の内に含まれませんが、ロードオーダーを自由に変更できず、使用できるFormIDの数と範囲も限られています。
勿論、無限にプラグインを追加できる訳ではなく、4096個という上限もあります。

一方で、ESPFEはFormIDの制限こそESLファイルと同様ですが、ロードオーダーの制限が無くなりました。
プラグイン数の制限もESLファイルと同様に 4096個まで追加できます。
これは非常に大きく、特に効果的なものとしては、後ろに読み込む必要のあるパッチMod類が挙げられます。
パッチMod系は中身のほとんどが既存のFormIDの上書きなので、FormIDの制限が問題になり難いためです。

その他、小規模なMod(例えば装備Mod)にもESPFE形式は用いられ、現在ではFEPFE形式である必要があるModはユーザーが作業を行わなくてもESPFE形式になっていることも多いです。
しかし、ESPFEが流行り始めたのが2020年ごろなので、それ以前のModはユーザーが変換する必要があります。

私のようなプラグイン数が900を超えるようなヘビーユーザーには恩恵が大きいのですが、Modは少ししか入れないよ、といった方は無理に変換する必要はありません。
そのまま使用するのが一番安全ではあります。
プラグイン(ESP)数が200を超えてくる方はESLifierでESPFE化を行う事を検討してみて下さい。

ESLifierが優れている点

ESLifierが優れている点はスクリプトやSpell Perk Item Distributor (SPID)のファイルも自動で出力してくれる点です。
フォロワーModのFacegenも自動でリネームしてくれます。
これは本当に大きな利点です。

他にも多種多様なFormIDを使用するもの(jsonファイルやINIファイルなど)を自動で変換してくれます。
詳しくはGitHubのユーザーマニュアルのFiles that are patched by ESLifier以下を参照してみて下さい。

ESPFE化する際、FormIDの制限があることは既に言及しましたが、使用できないFormIDの範囲のものがあり、かつ数自体はESPFE化の条件を満たしている場合、FormIDを圧縮することでESPFE化します。
つまり、FormIDが変わる場合もあるのです。

この影響は多岐にわたり、SPIDの記述も変更しなければなりませんし、場合によってはスクリプトも変更する必要があります。
フォロワーModのFacegenも変更されたFormIDに対応するよう、リネームする必要もあります。
これらの作業を自動で行ってくれるのがESLifierです。
後からModを入れてもFormIDの変更を行うことも出来ます。

また、単純にESLフラグが立っていないESPを自動で判別してくれるのも非常に便利です。
更に、そのままフラグを立てるだけでESPFE化できるものと、FormIDの変更が必要なESPも判別してくれます。

ESLifierの使い方

では、実際にESLifierを使ってみましょう。
ここからの作業はMod Organizer 2を用いて行っています。
また、GitHubのユーザーマニュアルを大いに参考にしています。

この投稿で使用するもの

BSA Browser (with .BA2 support)-(Zipバージョンの方を使用)

いずれもModというよりはツールの類です。
ご自身が使いやすい場所に解凍して使用します。
BSA Browser (with .BA2 support)は直接の使用ではなく、bsab.exeをESLifierが使用します。

この手の実行可能ファイルはMO2に登録して使用したくなりますが、GitHubのユーザーマニュアルによると推奨されません。
ESLifierがMod構成をスキャンする時間が長くなってしまうそうです。

ESLifierの初期設定

ESLifierをダウンロードし、解凍したら、ESLifier.exeを開きます。
Mod Organizer 2から起動しないでください。
開くとすぐに設定画面に入ります。
主にファイルパスの設定を行う必要があり、これを行わないとESLifierを使用することは出来ません。

設定画面は以下のようになっています。
ESLifierの設定
上から順に見ていきましょう。

赤く囲った部分はMod Organizer 2用の設定です。
画像では既に有効にしてありますが、Vortexユーザーは変更しないでください。

緑で囲った部分は各ファイルパスを指定する箇所になります。
Mod Organizer 2の場合、基本的にはMO2のMod構成を読み取るファイル、フォルダを指定します。

・MO2 Mod's Folder Path
文字通りMod Organizer 2のmodsフォルダを指定します。
私は昔のユーザーで、インストーラー版ではなくポータブル版を使用しているので、少し変わったフォルダパスを指定しています。

・Outfit Folder Path
ESPやスクリプト、Facegenなどを出力するフォルダを指定します。
Mod管理ツールとは別の場所に出力するのが望ましいと思います。

・Outfit Folder Name
アップデートで追加された項目です。
出力フォルダの名前を変更することが出来ます。
こだわりが無ければデフォルトでも問題ないです。

・Pluguins.txt Path
Mod Organizer 2のPluguins.txtを指定します。
profilesフォルダの中を辿ると見つかるはずです。

・Modlist.txt Path
Mod Organizer 2のModlist.txtを指定します。
こちらもprofilesフォルダの中を辿ると見つかります。

・bsab.exe Path
こちらはBSA Browser (with .BA2 support)に含まれているファイルです。
BSA Browser (with .BA2 support)をダウンロード、解凍した場所にあるファイルを指定します。
BSAファイルの解凍に必要です。

水色で囲った箇所は少し細かい設定となります。
基本的には全てデフォルトのままが安全です。
細かい設定を行いたい場合、GitHubのユーザーマニュアルのThe third page, Settings~を参照してみて下さい。

水色で囲った箇所の右にも項目がありますが、こちらは説明の都合上、後述します。
初回起動時は触る必要のない項目です。

ESLifierでESPをESPFE化

実際にESPをESPFE化してみましょう。
上のタブにあるMainを選択すると次のような画面になります。
ESPFEに変換するプラグインを選択
バージョン0.8-alphaのアップデートでESMファイルも表示されるようになりましたが、大きくは変わっていません。

・Scan Mod Files
まずはオレンジで囲まれた部分を選択します。
これはプロファイルのMod構成を読み取り、初回選択時のみBSAファイルの解凍を行います。
完了すると画像の様にESPの一覧が表示されるはずです。

・ESLify
次に緑で囲った部分です。
こちらはFormIDの変更なしにESPFE化できるファイルの一覧です。
FormIDが変更されない為、こちらは基本的に全て選択しても良いです。
右クリック→Check Allで全てのESPが選択できます。
SkyUIなども一覧の中にはありますが、問題なくESPFE化できます。

・Compact + ESLify
赤で囲った部分です。
ここにはESPFE化の際、FormIDの圧縮(変更)が必要なESPが表示されています。
ESLifyに比べると注意が必要で、既存のセーブデータで使用しているESPには非推奨です。
FormIDが変わるため、読み込めなくなります。
ニューゲームや新しくESPを追加する場合は大丈夫です。

ESPFE化するプラグインファイルをマスター指定しているESP(パッチModなど)も一覧には表示されませんが自動で変換されます。
SSEEditではパッチModを一緒に読み込むことで同じことが出来るのですが、新しくパッチModを入れた際、作業をやり直す必要がある点がネックでした。
ESLifierでは後述の機能により、この点が解消されています。

Mod Organizer 2ユーザーはoverwriteフォルダにESPなどが無いか確認してください。
overwriteフォルダにあるファイル少なくともESPは)は変換されません。
念のためスクリプトやMCM用の設定ファイルも移動させておくと良いと思います。

ESLifierは後からFormIDの適用が可能ですので、慣れれば眉毛や髪などのキャラメイクに関係するModも積極的に変換することも出来ます。
この点がSSEEditでのESPFE化との最大の違いです。

・(Compact/)ESLify Selected
画像では水色で囲った部分です。
選択したESPをESPFEに変換します。
Outfit Folder Pathで指定したフォルダに出力されます。
ESLifyが出力したファイル
ESP以外にもスクリプトやFacegen、SPIDのファイルが出力されているのが確認できます。

(Compact/)ESLify SelectedでESPFE化した後は変換したESPは一覧から消えます。
再度スキャンすると緑のチェックマークが付き、Mainのタブでは再度選択することは出来ません。
ESPFE化が完了した画面

後から入れたModをESPFE化したFormIDに変更する

ESPFE化したModをマスターに指定したESPを新しく入れた際、ESPFE化したFormIDにESLifier側の機能で変換することが出来ます。
これにより、ESPFE化する際の最大の難点だったパッチModの問題を解消することが出来ます。
とは言え、元Modの更新が盛んな場合はESPFE化をやり直す必要がある点には注意してください。

パッチMod以外にもRaceMenuプリセットなどを後から追加したい場合にも有効です。
ESLifierはRaceMenuプリセットにもFormIDの変更を適用します。

・Patch New Plugins/Files
上部のタブでPatch New Plugins/Filesを選択するとFormIDを圧縮したESPFEをスキャンする画面に移ります。
ESPFE化したFormIDに変更
後はMainの操作とほとんど同じです。

Find Unpached FilesでとFormIDを圧縮したESPFEの一覧を読み込み、新しく入れたパッチがマスター指定しているESPを選択します。
黄緑で囲った右側に表示されているものがパッチを当てるファイルになります。
ESPの他、jsonファイルなども対象です。

最後にPatch Selectedを選択することでFormIDを変更することが出来ます。

ESLifierのいくつかの重要なボタン

ここからはGitHubのユーザーマニュアルでは幾つかの重要なボタンと書かれている設定についてです。
前述の設定で後回しにした箇所です。
主にESLifier全体の設定をリセットしたりするボタンです。
ESLifierの重要なボタン

・Reset Extracted BSA List and Delete Extracted Files
初回スキャン時に展開したBSAファイルを削除します。
BSAファイルは初回起動時にしか展開しない為、BSAファイルを使用するModを追加した際は、念のためこのボタンを選択してリセットしてください。
ファイルと設定を削除すると、スキャン時に再度BSAファイルを展開します。

2回目のModスキャン以降はBSAファイルを展開しないので、定期的に使用する必要があるボタンです。
多分この項で1番使用するボタンです。

・Remove Plugins Blacklist
ブラックリストを削除します。
間違って入れてしまった場合や、以前はESPFE化を避けていたファイルを再度ESPFE化してみたくなった時に使用します。

・Open ESLifier's Data Folder
ESLifierのESLifier_Dataフォルダを開きます。
変換したESPの情報などが記録されています。

・Delete All FormID Maps and Compacted/Patched History
変換したESPの情報やパッチを当てたプラグインファイルの情報を削除します。
ESPの管理がどうしようもなくなった時に使用してみて下さい。
このボタンを押したら出力したフォルダ、ファイルの削除もしておきましょう。

・Reset All Settings
フォルダ設定なども含め、全てのESLifierに関する設定をリセットします。
再設定はとても面倒なので最終手段です。

ESLifierが出力したファイルをインストール

ESLifierで出力したファイルは別フォルダに出力しているため、Mod管理ツールに認識されていません。
なので、出力したファイルをModと同じようにインストールします。

出力したフォルダをそのままMO2のModフォルダに入れるなど、色々やり方はあると思いますが、ここではオーソドックスなやり方を提示したいと思います。
フォルダを圧縮してインストールするやり方です。

WinRARでは右クリックを押すと以下の画像のような表示が現れるので、簡単にRARファイルに圧縮できます。
出力したファイルをRARに圧縮

圧縮場所を選択したい場合、書庫に圧縮を選択し、圧縮形式、出力フォルダを設定してください。
ちなみにRARファイルは可逆圧縮なので、データの劣化はありません。
もちろん、使い慣れている圧縮ツールがあれば、そちらを使用しても大丈夫です。
可逆圧縮ならRARファイルでなくとも、ZIPファイルなどを使用してもOKです。

後はMod Organizer 2を起動し、「アーカイブから新規にModをインストールする」を選択します。
Mod Organizer 2にRARファイルをインストール


これでESLifierが出力したファイルを読み込むことが出来ます。
読み込み順は後ろの方にしておかないと意味が無いため、その点も注意しましょう。

ESLifierを使用することで、これまで以上に柔軟にSkyrimのESPFE化が行えるようになると思います。
パッチModやスクリプト、jsonファイル、RaceMenuプリセットなどの関係でESPFE化を見送っていたModを再考してみるのも良いかもしれません。

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自己紹介

Skyrim研究所を運営しています。
2014年位から理想のSkyrimを求めて日々Modを導入し続けて現在に至ります。
主にSkyrimの戦闘や景観、システム関連のModについて書いていく予定です。
Modの更新と共に過去投稿も徐々にアップデートしていきます。

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